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* Bettty NOTE *
本やマンガから雑談に使える話を…

『宇宙エレベーター』…だけじゃないのが痛し痒し

宇宙エレベーター宇宙エレベーター
アニリール・セルカン

大和書房 2006-06-22
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軌道エレベーターに興味がある人は彼の「ATA 宇宙エレベーター」はとても魅力的に映ると思います。

たった4000kmのケーブルでできており、始点終点どちらのポイントも軌道上に浮いているという、他とは違うものだった。地上からそのまま宇宙まで、という「エレベーター」ではなく、始点までシャトルで乗組員を運んで利用する構造だ
 この構造の一番のポイントは建設費用が他のものと比べて安く、実際にも実現可能な材料で造られている、という言わば実用性だった。普段1kgのものをシャトルで打ち上げるのにかかる費用は、だいたい200万円とされているが、この構造が実現化されれば、1kg1万円ほどで打ち上げることが可能になる。
(中略)
 「このエレベーターであれば2018年には実現可能です。隕石が捕まるまで待つ必要はありません」僕の発表の締め括りはこんなコトバだった。(P.33)


最後の隕石云々は2000年に発表されたNASAのプランに対しての提言。
NASA案は全長3万5786km。資材にカーボンナノチューブを想定するため建設開始は2062年。そして外に対して引っ張る力を加えるために、どこからか隕石を捕まえて地球から4万2000kmはなれた軌道上に乗せエレベーターの構造につなぐというもの。

で、もちろんですが著者のプランにもまだ不完全な点はあるのですが、そこらは本書では書かれていません。現在、研究中とか。

で、宇宙エレベーターはこの数頁でおしまい。

目次を見てもらえばわかりますが、タイムトラベルやシュメール文明、量子論など興味のままに進んでいきます。
言ってみれば、セルカン脳内イメージでしょうか。

エレベーターをもう少し説明してほしかったんだけどな。

ちなみに脳内メーカーで著者のイメージを見ると「休」ばっかりなのは本質か?皮肉か?
☆☆☆--

学者にしては説明が少ないと思いましたが、ネットで検索すると「アニリール・セルカン経歴詐称疑惑」なんてサイトもでてきました。さて、彼のプランは信頼に足るものなのでしょうか?

長いので目次は以下に。


CONTENTS

プロローグ
 僕らはお互いの経験から何を学べるのだろうか

第1章 宇宙の旅
まだ見ぬ世界への好奇心を誰も止めることはできない
 先駆者ボイジャーの功績
 もたらされた宇宙への切符
 テスト・テスト・テスト
 だから人類は火星をめざす
 重力が作るアタリマエ
 宇宙へ、そしてその先へ
未来へ延びる宇宙のエレベーター
 空へと向かう人類の挑戦
 全長3万5786km、建設開始は2062年?
 「宇宙エレベーター」の役割とは
 どこまで建造物は高くなる?
未来の僕へと続く扉はこうして開いた
 リトバルスキーに会いたい!
 父VS父 勝敗の行方は!?
 そして、旅が始まる

第2章 次元の旅
池の中の鯉 宇宙の中の人間
 鯉の夢? それとも現実?
 池のソトは宇宙のソト
宇宙の大きさは常に変化している
 色のチカラ
 伸び縮みする宇宙
サンタさんは異次元トラベラー
 まずは、求人と市場調査
 サンタさんの労働条件
 驚異のスーパー・ソリ
4次元って本当に時間なの?
 原子より小さな世界
 宇宙のカタチ
 ヒーローになる秘訣
宇宙のソトから見た揺らめく宇宙たち
 ブラックホールが生み出す「バランス」
 そして宇宙のソトへ
上から見れば、よく見える
 「宇宙は無重力」のウソ
 2次元の人間たち
 上の次元から「世界」を見る
 愛の仕組みは宇宙の仕組み
「4次元の女」はいいオンナ?
 人間は「筒」でできている
 次元を学ぶイミとは

第3章 時間の旅
タイムトラベルで時間を越える
 タイムトラベルの基礎知識
 タイムトラベラーへの注意点
 マンモスもタイムトラベラー?
過去、現在、未来へと時を越える子どもたち
 母「……作ってみたら?」
 マストアイテム「電子加速装置」
 タイムトラベルの成功
時間の始まりはいったいどこなのか
 誰かが創った「時間」の始まり
 暦の「0」地点
「本当の」カレンダーの始点

  [Dimension Travel]
  タイムトラベルは、もう一人の自分と出会う旅
   過去の今が、未来の今と交差する
   未来から来た自分
   運命は変えられるのか
   過去と未来をつなぐ道
   「創造力が道を開く」

第4章 歴史の旅
知識の源泉はどこに眠っているのか
 名プロデューサー・ガリレオ
 知恵の種子が実るまで
シュメールの石盤が過去のヒミツを語りかける
 立ち読み厳禁?
 源流シュメールの向かう先
古代技術の結晶「ノアの箱舟」
 どこまでホント・どこまでウソ
 古代遺跡がくれたヒント
過去から未来へ……? 空飛ぶ夢の向かう先
 聖典に描かれた「航空機」
 ヴィマーナの科学的な根拠
古の人々が残した知識
 古代人の宇宙観
 模型の正体とは?
滅びと進歩は、いつでも背中合わせ
 気づいた時には、もう
 古代戦争の最終兵器
 「世界」は永遠じゃない

第5章 原子の旅
  [Dimension Travel]
  全ての旅は原子から生まれる
   どう動いて、どこに現れるか
   宇宙は「一瞬」で生まれた!

旅の目的地は、自分で決める
 「無」に至る道
 「何もない」世界
 月はそこにあるのか
 結局、全ては「可能」である
原子の旅は終わることがない
 僕らは、仮初めの乗り物
 何のために宇宙は創られたのか
 原子から学ぶこと
 最後に思うコトバ
人類の旅は、イヴで始まり、イヴで終わる
 男の悲しい運命
 「水の家」の実験

エピローグ
 僕は旅のガイドブックを買ったことがない


中表紙イメージ(クリックで拡大)。タイポグラフィとして見るとこのデザインはいいよね。
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  1. 2009/09/27(日) 07:10:03|
  2. books & writing|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:4

  

コメント

アニリール・セルカン経歴詐称疑惑

アニリール・セルカン経歴詐称疑惑
http://blog.goo.ne.jp/11jigen/
http://www29.atwiki.jp/serkan_anilir/

【アニリール・セルカン氏についてのまとめ(主な結論)】

・アニリール・セルカン氏は「宇宙物理学者」であり11次元宇宙の研究で受賞したことになっていますが、氏を著者とする物理学に関する論文は一編も発表されていません。

・東京大学、およびJAXAのホームページ等で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた物理学の論文は、現実には存在しない架空のものです。

・東京大学で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた知的財産権2件については、一件は他人の特許であり、もう一件は存在しない特許です。

・「ケンブリッジ大学物理学部 特別科学賞 受賞」については記録もありませんし、そもそもセルカン氏は物理学の研究業績が皆無なので、物理学の研究によって(まともな)賞を授与されることはあり得ません。

・同様に、「America Medal of Honor(アメリカ名誉賞)」、U.S.Technology Award受賞の記録もありません。

・「プリンストン大学数学部講師」に就任したという記録もありません。またセルカン氏は数学分野の研究業績が皆無なので、数学部講師に就任するというこはまずあり得ません。

・セルカン氏は「宇宙飛行士候補」と言うことになっていますが、NASAの宇宙飛行士候補のリストにも、宇宙飛行士のリストにも掲載されていません。
  1. 【2009/10/02 01:29】 URL | アニリール・セルカン経歴詐称疑惑 #7wMx5UPc [ 編集]

コメントというか追記ありがとうございます。

フィクション、ノンフィクション問わずに取り上げる当ブログとしましては、あんまり経歴にはこだわってはいないのですけどね。
なにしろ数字と言葉が足りなすぎます。


そういえば、この記事を書いてからラリイ・ニーブンの「インテグラル・ツリー」がここの宇宙エレベーターと同様の空中浮遊構造体だと思い出しました(話、忘れたけど)。
似た発想だけに、オリジナリティを主張するならより詳細に説明してほしいものです。
  1. 【2009/10/05 08:24】 URL | Bettty #- [ 編集]

宇宙エレベーター本

宇宙エレベーターについては、「宇宙旅行はエレベーターで」や最近文庫本で再版された「軌道エレベーター」がおすすめです。
あと、社)宇宙エレベーター協会というのもあるので、(http://www.jsea.jp)参考になるかと思います。
ちなみに、私、上記の協会でボランティアをしているのですが、今度11/3にイベント、12/12、13にはシンポジウムがあるので、御都合が宜しければ遊びにいらしてください。ではでは
  1. 【2009/10/27 12:52】 URL | kayoko #huO6LTrQ [ 編集]

コメントありがとうございます。

石原先生の本は10年以上前の本ですが、「非同期軌道スカイフック」や、「軌道リングシステム」まで紹介されているのですね。

文庫にもなったようですし、探してみたいと思います。
  1. 【2009/10/28 12:22】 URL | Bettty #- [ 編集]

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