・「妙なる技の乙女たち」小川一水ポプラ社 2008-02
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今月19日、A・C・クラークが亡くなりました。報道で度々「『2001年宇宙の旅』の…」と言われ、それほど日本のSF状況は衰退してしまったのか、と嘆かれる方も多かったと思います。
さて、クラーク先生が「楽園の泉」で描いた軌道エレベータ。
本書はその軌道エレベータが実現した世界で働く女性たちのストーリー。
ただ、あまり軌道エレベータが活躍する話ではありません。そのくらい未来の話ということでしょうか。
…となると大石まさるの「水惑星」シリーズを思い出します。近いといえば近いかもしれません。
ただ、学生は登場しないので対象年齢はちょい高めでしょうか。
こーゆー連作短編って好きです。
☆☆☆☆☆
表紙絵はD・キッサン。ちょっと意外なキャスティングでした。
目次やネタバレを含む余談は以下で。
CONTENTS
第一話
天上のデザイナー
第二話
港のタクシー艇長(スキッパー)
第三話
楽園の島、売ります
第四話
セハット・デイケア保育日誌
第五話
LIft me to the Moon
第六話
あなたに捧げる、この腕を
第七話
the Lifestyles Of Human-beings At Space
以下、ネタバレを含みます。未読の方はご注意を!
一話
京野歩(きょうのすすむ)はデザイナーとして宇宙服に挑む。
二話
歌島水央(うたじまみずお)はポートタクシーの艇長として後見人を乗せる。
三話
幡守香奈江(はたもりかなえ)とルクレース・マッキンデールは高級自然住宅開発企業、ヴァージナイルの代表として委託型自然保護計画・TNRPに関わっていたが…。
四話
阪奈麻子(はんなあさこ)は私設保育園の保育士として迷い込んできたレオンを引き受ける。
五話
犬井麦穂(いぬいむぎほ)は軌道エレベータ・LSEのケージ・アテンダントとして急遽、乗り込むが…。
六話
鹿沼里径(かぬまさとみ)は動力彫刻・アーマートの第一人者として惑星探査船クルタナーガラのフィギュア・ヘッドを頼まれる。
七話
歌島美旗(うたじまみき)はCANTEC、総務部にいて退屈な事務仕事に辟易していた。そこにEIP6thという環境改善プロジェクトにピックアップされるが…。
■七話は頭文字を取ると LOHAS ですね。さておき、ここで紹介してあるEIP6thは、S・H・P(スター・ハーヴェスト・プラン)へと発展していきます。
そして作り出されるのが、含水小惑星グリーン・ジャイアントをくりぬいて半径500mの円筒構造を補強し自転させることで人工重力を生み出し300haの耕地。
宇宙での農業というのがどういう形を取るのか、クロレラ培養などという小規模なものではない本格的な耕地を描いたという点では初めての作品ではないでしょうか。
ただ、作品の最終章として未来を描く作品の配置といった感じもします。正直、描写が物足りません。多分、微小重力だと思いますが、そこでの植物の成長がどうなるのか未知な部分は多いので、仕方ないとも思いますが…。
その時代、地上での農業ってどうなってるんでしょうね…と、これは個人的な興味。
■某サイトでリンガ諸島に「毒牙門」という当て字をしているのを見つけました。賓丹をビンタンとすると音での当て字かと思いますが、これは少し違うかも。リンガではなく別地名があったのでしょうか?しかし毒の牙というのは…。
あまりいい感じはしませんね。
作者としては、クラークの居たスリランカに近いところと考えてのリンガ諸島では?と推測しているのですが。
























