* Bettty NOTE *
マンガと書籍の感想、なかなか更新できず…

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

『国民のための百姓学』世界に代案を示してほしい

国民のための百姓学国民のための百姓学
宇根豊

家の光協会 2005-09
売り上げランキング : 51158
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

「農」を生業とする自分にとって、そうそうと共感することがあり、この感じは遠のいたと思うことが書かれていました。

共感するのは、「家族みんなで仕事ができたから」という理由で昭和30年(代?)前半が楽しかったと答える平均年齢70過ぎの百姓。私は昭和30年には生まれていませんが、親の昔話を聞いたりしているとなんとなくそんな感じがします。

逆に、大晦日と元旦で気分がガラリと変わるという著者の言葉は正直よくわかりません。大晦日と元日、二日くらいに仕事を休めば、また畑に行かなくちゃなぁと思うくらいで、ちょっとした連休くらいの感覚です。
変わらないか?と聞かれた子供たちの八割以上が「何の変化もない」と答えたそうで、著者はそれを受けて、農耕文化とさらに古い文化が失われつつあると書いています。

農がよりどころにしている世界は近代化できない、とした上で、近代化していいところと近代化してはいけないところを区分けする方法を、私たちは身につけないといけない。
それを具体的に提案できるのは農をおいて他にない。
だから「百姓学」を世に問う、とまえがきにあります。

時代に逆行する考えだとは思います。しかし、時流に乗っていった先が楽園とは思えません。止まって、行く先をよく見たほうがいいかもしれません。
そこに、百姓が身につけている百姓ならではの「まなざし」で、世間と世界を解釈する「知恵」の体系である百姓学の意義があるかもしれないと思います。

畑に出たことのない人には分からないところもあるかと思います。
でも、世の中がおかしいと思った人には、常識だけではないもう一つの視座を与えてくれるかもしれません。

期待を込めて。
☆☆☆☆☆

目次と「百姓学宣言」などを以下に。長いよ。


目次
まえがき
第1章 技術・生産
 生産性を上げることは、本当にいいことなのか?
 農薬は、基準さえ守っていればいいものなのか?
 有機農業は農業の理想の姿なのか?
 有機農業と自然農法は、どこが違うのか?
 なぜ、クローン家畜をつくろうとするのか?
 なぜ、遺伝子組み換えはいけないのか?

第2章 生きもの
 なぜ、役に立たない生きものも守らなくてはならないのか?
 川にメダカが泳いでいると、どうして嬉しいのか?
 人間は本当に生きものと共生できるのか?
 コウノトリやトキは害鳥だったのか?
 生きものは百姓に恩返しをするのか?

第3章 土地・風景・自然
 田畑は、どのくらいの時間をかけて田畑になるのか?
 いい作物を育てる「土」とはいかなるものか?
 田んぼを埋め立てるのは悪いことか?
 農業は、自然破壊なのか?
 棚田を見ると、なぜ美しいと感じるのか?
 農業の持つ多面的機能とは何なのか?
 なぜ、農業は科学的な見方だけではとらえられないのか?
 生物多様性はどうやって測るのか?

第4章 食べもの
 外国から導入された作物が多いのはなぜか?
 どうして旬の作物がもてはやされるのか?
 ファーストフードは、私たちの生活を豊かにしてくれるのか?
 食べものの安全性は、そんなに大切なものなのか?
 「いただきます」という言葉は、誰に向かって発するのか?
 食べものは、人間だけの糧なのか?

第5章 仕事・精神
 クーラーよりも自然の風が気持ちいいのはなぜなのか?
 きつい仕事は、時代後れで非人間的なものなのか?
 なぜ、子どもに手植えや手刈りを体験させるのか?
 田植えの経験のない百姓の子どもが多いのはなぜか?
 新しい技術はどんどん取り入れるべきなのか?
 命よりも大切なものは存在するのか?

第6章 くらし・政治
 私たちの生活は進歩しないといけないのか?
 百姓は、サラリーマン並みの所得を目指さなければならないのか?
 日本の農業は、本当に保護されているのか?
 今の日本で、百姓一揆が起きないのはなぜなのか?
 百姓にとって、理想的な国家は存在するのか?
 日本の国土で食料は自給できるのか?
 どうして食料危機が叫ばれるのか?
 農業の本当の目的とは何か?

第7章 歴史
 食べものは、カネで評価できるものなのか?
 農の倫理とはどういうものなのか?
 なぜ、百姓の歴史は間違って教えられてきたのか?
 「百姓」という言葉は、いつから「差別語」になったのか?
 「農学栄えて、農業滅ぶ」と言われるのはなぜなのか?

あとがき

長くなったついでに「百姓学宣言」の八つの原則も。
こっちは全文ではないので、わかりにくいところは本を開いてください。

(1)百姓学は、農があたりまえに、そこに、いつもあり続ける伝統と情感と論理によって、世の中を開放する。その核となるものは、人間も含めて生きものの命と、仕事が繰り返されていくことだ。

(2)百姓学は、科学を軽んじないが、経験や感性をより重視する。

(3)百姓学は、近代化を否定しないが、近代化してはならないものを守るための論理を提示する。

(4)百姓学は、人間中心主義を脱却する。

(5)百姓学の表現は、論文である必要はない。詩であり、小説であり、エッセーであり、歌であり、絵であり、田んぼであり、畑であり、生きものであるかもしれない。

(6)百姓学は、従来の百姓の膨大な表現から、しっかり百姓学であるものを拾い上げていく。

(7)百姓学は、近代化が終息し、生きとし生けるものの生が繰り返し安定すれば、使命を終えて、野に還り、眠りにつく。

(8)百姓学の担い手は、学者である必要はなく、百姓はもちろん、農に関心を抱くすべての人に開かれている。


著者に共感しつつ、世間との架け橋をはずさないように意識しつつ、農業ブログやってます。珍しくもリンクを張っておきますか。
「Bettty small Farm」

web拍手 by FC2

  1. 2011/03/01(火) 07:00:45|
  2. books & writing|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:3

  

コメント

こういうこともっと話題になってほしいんですが、なにか危機感を覚えるんですよ。
まるで作物や肉が自動的に出来てるような錯覚をみんな持ってるような気がして。
うまく言えないんですが。
  1. 【2011/03/02 01:55】 URL | mtkw #- [ 編集]

なんとなくわかる感じがします。

世の中が複雑になっていますよね。モノが多い。人が多い。
覚えなくてはいけないとされるものが多すぎて、そもそも備わっている本能が弱ってきているような…。

日本人が特別なのか、他の国でもそうなのか。あれこれ疑問は浮かびます。
  1. 【2011/03/03 01:36】 URL | Bettty #- [ 編集]

>そもそも備わっている本能が弱ってきているような…。

怖いですね。
最近の子供は自分が暑くなったとき、服を脱いで体温調節する子がいないとか.

星新一の「冬の蝶」の世界がほんとうにきそうです。
  1. 【2011/03/11 12:55】 URL | mtkw #- [ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://bettty.blog4.fc2.com/tb.php/1075-0c7c0ccd

  

↓Amazon ツン読リスト↓
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。