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『天地明察』暦を作って暦を語らず

天地明察天地明察
冲方丁

角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-12-01
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2010年本屋大賞受賞作。
江戸時代前期の天文学者・渋川春海が日本独自の暦を作り上げるドラマ。
分厚いんですけど、すいすいと読めるのはラノベ作家だからでしょうか。

とにかく、暦という地味なものを扱って、ここまで読ませるところはなかなか。

まあ難しいところを省略してるから、というのはあります。
数学の問題を提示して、解法を詳述せず答えだけ示す手法。

暦にしても、「モノを使い始めるのにいい日」など運勢を示すいわゆる暦注の部分と日蝕や月蝕などの天体の運行が混ざっているのがこの本でいう暦の感覚ではないでしょうか。

さらに江戸庶民には月の満ち欠けを示す太陰暦が普及しているはず。これは一ヶ月が29日か30日です。単純に一年365日とすると大の月(30日の月)が12あっても5日余ります。
たまに閏月といって一月まるごと増えたりするそうな…。
この様々な暦の感覚が練れていないように思えます。

主人公も学者肌だったのが、終盤のお手紙作戦で急に社交上手になったのも、やや唐突な印象。年齢を重ねてとかあるかもしれませんが…。

面白いが、寄せがあまいかな。
☆☆☆☆-

個人的には、郷土かるたに登場する関孝和の活躍が嬉しい。

目次
★序 章
★第一章 一瞥即解
★第二章 算法勝負
★第三章 北極出地
★第四章 授時暦
★第五章 改暦請願
★第六章 天地明察

主要参考文献


以下、余談。ネタバレも含みます。

ネット評にある囲碁の部分は問いません。
私は囲碁はわかりませんし、暦が主題なのですから(主人公が碁打ちとしても)。
しかし、暦についての素朴な疑問は残ります。そこを一点だけ。

話の要になる部分で蝕の予報勝負があります。

例えばP.377
「宣明暦の予報は、丑寅卯いずれかの時刻の間に十四分の月蝕。大統暦は同じく丑寅卯いずれかの時刻の間に十分から九分の月蝕。そして授時暦は、寅から卯の時刻にかけて十分から九分の月蝕」とある。「十四分」という表記があるから割合ではなく時間でしょう。そして問題の、一分にも満たないような日蝕。
蝕の観察を続けていれば、緯度によるというその誤差に気付けたのではないか?

そして「八百年かけて、二日のずれ」という宣明暦は蝕において二日の「ずれ」はないんですよね。ずれ以外の何によって蝕を予測したのでしょう。計算?引用から精度の甘さはうかがえますが…。

ここがポイントなのに、説明不足ですよね。
ま、説明されても理解できるかはわかりませんが。


現在のグレゴリオ暦での閏年の決め事は以下。

1:西暦年が、4で割り切れる年は、閏年とする   例 1996年
2:1であっても、100で割り切れる年は平年とする 例 1900年,2100年,2200年
3:2であっても、400で割り切れる年は閏年とする 例 1600年,2000年

単純に3の決めをなくせば宣明暦の「800年で2日のずれ」となりますが、どうなんですかね。日本でのグレゴリオ暦の採用は明治5年(1872年)です。

考えれば考えるほど、どこまでが史実かわからなくなります。
「後世、"ケプラーの法則"と呼ばれる」(P.443)というのも、惑星は楕円軌道上を動くというケプラーの第一法則は1609年に発表されているようで(Wiki)微妙におかしいでしょう。
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  1. 2010/10/25(月) 23:36:40|
  2. books & writing|
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