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* Bettty NOTE *
本やマンガから雑談に使える話を…

黎明期の面白さ、遺体科学の最前線

パンダの死体はよみがえる
遠藤 秀紀

筑摩書房 2005-02-08
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遺体を相手とする場合、時間の制限、保管場所の制限、予算の制限と様々な制限があるようです。動物は死ぬ時を選ばないし、死んだときから腐敗するまではあまり時間が無い。大きい動物ならまず解体作業をしないと車に積めない、が解体すればいいというものではなく研究のために手を止めなければならない。ゾウやクジラではきれいな骨を取り出すためにまず埋葬をしなければ…。

DNA分析がわずかなサンプリングから始まる頭脳労働としたら、こちらは遺体と格闘してつかみ取る肉体労働の学問でしょうか。魚河岸でもないのに手鉤が必須などと誰が考えますか?
もちろん学問である以上、頭脳労働であるわけですが、かなりガテン系。

しかし、「遺体はその動物の姿形がもつ本当の意味を語ってくれる」と本文にあるように、モノに即して考えるというのは面白そうです。

例えば、ツチブタの手指は内側ほど大きく曲がり、外側は浅く曲がります。これによって、推測ですが、限られた筋力の中でより多く土を掘ることができるように掘る機能と掘られた土を掃き出す機能、いわばシャベルと箒の機能を持たせていると著者は語ります。

モノのデザインをする人なら機能美というのを考えるかと思いますが、遺体科学から見えてくるのは優れたデザインに通じるものがあるのではないでしょうか。
忠犬ハチ公やかわいそうなゾウなどの有名な動物エピソードを交えて、動物が大好きっ!とはいえない私にも興味の持てる一冊。

写真もいいけど、図のほうが解りやすいのになぁという部分もいくつかあって
★★★★- web拍手 by FC2

  1. 2005/02/22(火) 02:14:00|
  2. books & writing|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:4

  

コメント

パンダの死体はよみがえるの遠藤です

「パンダの死体はよみがえる」の著者の遠藤と申します。ずいぶん前にご紹介いただいていたようで、嬉しく思います。遺体の現場はとても楽しい仕事場です。関心を示してくださいまして感謝の至り。ありがとうございました。これからも応援してください。
  1. 【2005/09/30 12:06】 URL | 遠藤秀紀 #- [ 編集]

ありがとうございます

著者本人からコメントをいただけるなんて、レビュアーとしては望外の喜びです。
ニッポン放送で、国立科学博物館より異動されたように聞きましたが、今はどちらで研究をされているのでしょう。
一読者ではありますが、ご活躍を期待しております。
  1. 【2005/09/30 23:49】 URL | bettty #- [ 編集]

お久しぶりですパンダの著者の遠藤です

パンダの死体の著者の遠藤秀紀と申します。拙著を取り上げてくださっていて、ありがとうございました。いまは京都大学霊長類研究所というところで仕事しています。次は二月ころに講談社から新書が出ます。また読んでくださいますと幸いです。今年もどうぞよろしくお願いします。
  1. 【2006/01/02 13:34】 URL | 遠藤秀紀 #- [ 編集]

必ず読みますとも!

あけましておめでとうございます。

乱読、著しいブログにコメントをいただけて嬉しいやら申し訳ないやら…。

新刊、心待ちにしております。
お仕事、頑張ってください。
  1. 【2006/01/03 03:24】 URL | bettty #- [ 編集]

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