アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズ(最近の岩波少年文庫だとランサム・サーガって言うんですか)が好きな人にはおすすめかと思います。
夏の島での休暇の日々を描いています。
文章も詩情豊かで、宮沢賢治を思い起こさせました。
日本で言うと瀬戸内の風景に似ているかもしれませんが、長期休暇の習慣がない今の日本では夢物語ですね。
そして、楽しい自然だけではなく、最後に「ひとあれ」来ます。
そんな予報が出れば、とっとと撤収しそうなものですが、もう間に合わないタイミングなのか、そんなのは毎年のことなのか、泰然としています。
逃げてしまうと、つまらなくなっていたでしょうけど…。
夏休みの終わりに(いやもう数日前から始まっているようですが)いい絵本に出会えたなぁ、と。
蛇足ながら、アメリカ合衆国メイン州のペノブスコット湾の地図を調べるのなら「Bing」より「Google」のほうがお勧めです。島の名前が網羅されてないのは一緒ですが(残念!)地図モードで「Bing」は島自体を省略してますからね。写真にして島が増えてビックリです。
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- 2012/08/31(金) 23:29:00|
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「Coffee blues」の前編にあたりますが主人公の今と学生時代の話ということで、こっちが後でも大丈夫。
主人公の生年が明らかになってます。1961年だそうで、「Coffee blues」の時代は1991年。30歳ですね。この話では45歳です。2006年の話ですが、時事的なものは特にありませんね。
主人公・弓島大は大学時代の四年間、男五人で共同生活を送っていた。五人のうちの一人の事故死で二十数年ぶりに出会った四人。
一人が「レンタカーで帰って自殺する」と言い出して、ロングドライブが始まった。
毎年、会っていた友人たちともなかなか会えなくなってます。
その点ではうらやましいですね。
話としてはまあどうなんでしょう。あそこまでキツイ話にしなくても、とも思います。
主人公、弓島大も「善人」と言われるようなタイプじゃないんじゃないか。
最後の仕上げをまったく否定するつもりはありませんが…。

読んだのは単行本版のこちらです。
ラストシーンが横浜ということでの表紙かと思いますが、舞台は「海の公園」です。
八景島の近くでランドマークタワーやベイブリッジ(裏表紙に)は見えないでしょう。新港パークあたりと間違えてません?
そんなあれやこれやもあって、「Coffee blues」と同じスカイエマ表紙の文庫版をトップにしてみました。
今回、流れるのはジャニス・イアン。
- 2012/08/18(土) 23:58:29|
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2012年本屋大賞受賞。辞書を作る人たちの話です。
個人的にですが、2010年同賞4位の
「神去なあなあ日常」のほうが読みごたえがあったかと思います。
ネット評とかである「ラノベっぽい」てのは、本(と作者)の選び方を間違えてますね。もっとリアルなのがいいってんならノンフィクションでも探せばいいでしょうよ。
ただ、エピソードや書き込みがもう少し欲しい、とは感じました。
259頁ってのは、作者にとってちっと物足りないかも…。字数(何行何文字)まで同じかどうかは調べてませんが、「風が強く吹いている」は512頁、「神去なあなあ日常」は290頁と、著者にしても全力を尽くすというより、書き込み不足感があったのではないでしょうか。
本屋大賞ってのは「書店員がいちばん売りたい本」ということですが、出版業界が舞台だと多少、甘くなりますかねぇ。
帯にあるイラストは装画・イラストも手がける雲田はるこ。
この本の装丁自体が「大渡海」という辞書を実現してるようですが、ひとつだけ。
「本体の表紙と裏表紙には、三日月と舟のマークがそれぞれ控えめに刻印されている」(P.241)とありますが、この順なら表紙=三日月、裏表紙=舟ですよね?で、実際は逆(表紙参照)。「大渡海」ということなら表紙=舟のほうが私もいいと思いますが、じゃ、本文について作者に物申しましたか?
もしや作者は、表紙=裏表紙=三日月&舟(月夜を行く舟)というデザインを意図してました?
どちらにしてもツメが甘いようです。
鮨屋のツメではもちろんありません。そっちは甘くても可。
※穴子のツメならしょうゆ・酒・みりんと捌いた穴子の頭、中骨などを一緒に煮込みます。しょうゆ・酒・みりんの割合は1:1:1で砂糖はお好みです。気長に弱火で煮詰め、その際アクはコマめにすくいます。
焦がさないよう頑張って見ます?
- 2012/08/17(金) 00:27:34|
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「江口、絶賛&焦燥」てのは帯より。江口寿史によるイラストには「いしかわさん おいてかないで‥‥」という江口に「いや オレもうマンガ家にもどったから」と答えるいしかわさんが描かれてます。
今なら
いしかわさんのサイトで確認できます。
いやもう、このブログでいしかわさんのマンガが紹介できるとは!
なんという喜び!
雰囲気で言えば、今の「東京物語」(小津のじゃなくてね)。
ヒロインが小夏ってのもそれを意識しているか。
(すっかり忘れてましたけどね)
で、ちょっと思ったんだけど、OLDIES BUT GOODIES なんて言葉もありますが、古いけどいいというのとはちょっと違いますね。これは時が経つと、古さがそのまま懐かしくなっていく作品ではないでしょうか。
すなわち名作とくくると簡単ですけど、そこまではまだ言いません。
とりあえず、今後に期待するものは大きいです。
目次
第一話 店の名はキャットウォーク
第二話 小夏の冒険
第三話 美味しいカレー
第四話 トモダチの定義
第五話 メリークリスマス
第六話 彼らの事情
第七話 新しい環境
第八話 明日の夢
カズくんが1969年生まれってのはちょっとショック!若いんだ。
「二丁目でオカマのカズくんといったら 朝青龍も素股で逃げ出すって評判よ」
というセリフからは年上感(?)があったんだけど…。
第三話に流れるのがコレ。
これは第八話の大事な曲
- 2012/08/16(木) 00:36:15|
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コーヒーもの2冊目。こちらはミステリ。
(いや、ホントに
「コーヒーもう一杯」と一緒に手に取ったのよ)
頭が切り替えられないうちは、自宅を改装しての喫茶店だから家賃は無しかぁとか、それでも人を雇っているのだから、一日何人くらいが来ればいいのだろうとか考えてしまいました…。
えぇと、ミステリですからね。
小学生から頼まれた姉探しと、恋人を麻薬漬けにして殺した男の出所が錯綜して主人公に降りかかります。
基本的にお洒落系の小説。友人、知人に助けられて羨ましいほどの若隠居。
装画はスカイエマ。
本文中にカットとか全くないのが少し残念だが、その独特の色合いは
Webサイトで見てくれぃ。
そして流れる B.B.King 。
- 2012/08/09(木) 23:03:58|
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同タイトルのマンガもありますが…そっちは未読。
女性起業小説ってんですかね、カフェを始める話です。
そもそも主人公はサラリーマンで店舗内装の仕事をしています。
その時に、厳しい現実は見ていたはずだったんです。
オープンした店の九割が一年もたずに閉店する世界。
店の面積は約十五坪。で、二十席。店長と自分で切り盛りできるギリギリの規模。
カフェだと客単価はせいぜい五〇〇円。一日五万円の売上げを出そうと思ったら、日に百人の客。二十席で一日に二回転半。で、「居心地」と「効率」のバランスが保てそう。
食べ物を出せば、客単価は1200円と見積もる。来店客数五十人で一日の売上げが六万円。稼働日二十六日で月百五十六万円の売上げが計画上の数字。
経営指南書の経費指標と照らし合わせ…
その1:家賃は売上げの十パーセント以内が望ましい。
→出店を考えている地域は一坪一万円が相場。十五坪なら家賃は十五万円。よし。
その2:原価と人件費の比率は売上げの三十パーセント以内が目標
→百五十万円の三十パーセントは四十五万円だが四十万に絞り込む。
人件費はバイトを一人にすると時給八〇〇円で一日八時間の二十六日分で十六万六千四百円。残りが店長の取り分。
開業資金は一千万円。退職金百万円を含む貯金が三百万円。身内二人から百万円づつの二百万円。五百万円を元に、日本政策金融公庫から自己資金と同額程度融資を受けて、プラス五百万円というわけ。
さて、うまくいきますか?こけるとしたら、どこら辺の数字が甘いと思います?
step1 三十二歳の危機
step2 夢は寝て見ろ
step3 店を持つのは簡単
step4 頑張ってます、けど……
step5 この道はどこへ
step6 旅立ちの前に
凹みそうなところも多々ありますが、それでも読後、元気になれました。
自分ももうちっと気張るかぁ…って。え?
ちなみに絶妙な感じの装画は丹下京子によるもの。
以下余談、雑談。
・・・more・・・
- 2012/08/05(日) 23:52:33|
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▽2012-07-27▽
▽2012-07-24▽
「湘南モノレール」▽2012-07-23▽
「えのすい」こと「新江ノ島水族館」▽2012-07-22▽
TVアニメ「つり球」江ノ島、ご当地アニメ。
▽2012-07-16▽
「六角返し」「四角返し」とも、何面かの絵柄が循環するカードです。
サイトは
「*つくりめも*」を参照。
「六角返し」は折り紙のようなので伝統的なものかと思っていたら、「ヘキサフレクサゴン」と言って、イギリスの数学者アーサー・H・ストーンという方が1939年に考案したものだそうです。新しいものなんですね。
特にここで紹介されている「四角返し」はサイトの作者さんのオリジナルなようで、台紙がT字型というのがややスッキリしませんが、その効果・仕上がりの綺麗さは作ってみるだけの価値はあります。
▽2012-07-13▽
- 2012/08/02(木) 02:02:39|
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鉄火肌に隠された切ない想い。ポーカーの札に託す愛もある。別れに涙はいらない。物語が生まれる町。昭和30年代の初頭、築地明石町界隈を舞台にした連作小説集。
(「MARC」データベースより)
なんで昭和だと哀しい話になってしまうかなぁ…。
「もはや戦後ではない」てのは昭和31年だよ。
ベースであるポーカーバリエーションは、少しでも面白くしようという遊び心からの発想(アメリカ人の、だけど)らしいんだけどなぁ…。
フェアリールールは本格ではない(即ち邪道)、ということなんでしょうか。
目次(と初出時の原題)
第一話 コニイバーレスク(ジャック・ポット)
第二話 迷い子石(ブラインド・タイガー)
第三話 袖はぬらさじ(セブン・カード・スタッド)
第四話 トテカマシ(ベースボール・ポーカー)
第五話 メグと六郎(ウールワース)
第六話 粋な助っ人(ホールデム)
現在はタイトルを変えて文庫化されています。中身は変わらない…と思います。
- 2012/08/01(水) 15:24:22|
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