ユミという同じ名前を持つ二人の女性が、互いの記憶を共有している不思議。
そこに共通の人物が登場して、物語は動き始める…。
限られた意思伝達。気がつけば間近の「その日」。
ポツポツと浮かび上がる疑問。それが解消されてからの焦燥感。
上手いですねぇ。一気に読んでしまいました。
表紙は吉川龍(よしかわ・りょう)「日々―風―色」
元々は1枚の絵ですが、背表紙(や折り返しも)つながっているようになっていて、間違い探しが仕掛けられているかとも思ってしまいました。
読み終わると、そんなことはないとわかりますが、
疑問があれこれ出ているときは、表紙にヒントがあるかも、とか思ったんです。
以下、ネタバレを含む余談
・・・more・・・
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- 2012/09/25(火) 12:06:29|
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首にリングをはめることで人の盲点に入る(見えなくなる)という消失刑。他人に近づいたり、文章などでコミュニケーションを取ろうとすると、リングが締まって禁止行為を伝える。食事などは配給。自室で過ごせるほか、行動はある程度の範囲で自由。
さて、軽いとみますか?重いとみますか?
TV・ラジオもダメというのは刑務所と同じか。本なら読めるのかな。
首を絞めるためのエネルギー源とか気になりますが、ま、そこは設定なので。
声が聞こえるあたりから胡散臭さも感じつつ、一気に読んでしまいました。
「文化祭オクロック」(竹内真)のときにも思ったのですが、窓の外から物が投げられて窓ガラスが割れたとき、ほとんどの場合、割った物は内側に入りますよね。というか、ガラスが割れて割ったものが外に弾きとばされるのってどんな状況かな。室内の物や壁に当たって、また出てきたとか?それだってゴムボール(スーパーボール)くらいしか考えられません。
どうでしょうね。
今回はヒモ付きだから、とも考えられますけどね。
個人的には上の胡散臭さ以降の展開は要らないのでは?と思います。荒戸との友情やリアルな再会だけで充分だと思うのですよね。
今の時代、ロマンスを盛りこまないといけないものでしょうか。
ちょっと不自然な気もするので、作者以外の意図があるやもしれません。
どうでしょう?
- 2011/11/01(火) 12:28:18|
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・「精霊探偵」
梶尾真治 新潮社 2005-09-29
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Amazonで詳しく見る事故で妻を失ってから、他人の背後霊が見えるようになった主人公、新海。
能力は隠していたが、そのうちなんとなく不思議な能力があると知られるようになって、探偵まがいに人探しを頼まれ…。
能力があるといってもスーパーマンではないので、物凄い活躍はしません。
熊本を舞台にした話ですから、それくらいでちょうどいいかも(地理が解るともっと楽しめるでしょうが)。探偵助手の小夢(さゆめ)ちゃんとか、いいキャラです。
途中までポンポンとテンポよく来て、最後にひとひねりあるのですが、それ、私は要らなかったと思います。
映画「シックス・センス」以後、なんだかなぁ…。
ちなみに新海には肉体がありますから、「シックス・センス」と同じではありませんよ。
いくつか気になることもありますが…
トータルでみれば、間違いなく面白い。
☆☆☆☆-
※作者は、精霊を「せいれい」ではなく「しょうろう」と読んでほしいそうです、と某サイトに。
シルフとかのではなくグレープ?!のアレですね。
※「ブラインド・ポーカー」とありますが「インディアン・ポーカー」ですね。
ブラインドはポーカーで別の意味がありますんで念のため。
雰囲気が合わないのはわかりますが。
※荒戸に対して、口では荒戸さんと言いながら心で荒戸と呼び捨てるのって、主人公の性格としてどう?
- 2007/02/18(日) 23:00:00|
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・「つばき、時跳び」
梶尾真治 平凡社 2006-10-19
売り上げランキング : 24734
おすすめ平均
Amazonで詳しく見る主人公は三十過ぎの歴史小説家。
時間を超える話に対するガイドのような役回りも意図していたのでしょうか。
しかしあまりその設定が活きている感じはありませんね。
SF作家よりは真面目な印象にしたかったとか?冗談ですってば。
ヒロインが江戸期の女性。
美人で男性を立てて、妙齢だけど丙午の生まれで男性と縁遠い。
都合よすぎません?
そんな二人で恋に落ちても…ねぇ。
自分が発明するのではなく、手探りで時を跳ぶ法則や仕組みを調べていくのは面白いかなと思うのですが、恋愛が絡んでおかしくなっていった感じです。
時間モノの名作を書いてきた梶尾さんにしては、ぬるいでしょう。
★★★--
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- 2006/11/22(水) 01:53:52|
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